集団と言う流体に同化するとは?

 

時代時代で常識って変わる。

ギアレシオの常識も・・・

30年以上前に組んだ初ロードは52×42の13-19の6速。

その後1985年ごろから7速化して13-21へ。

フロントはたぶん1988年ぐらいから39に。

第一次現役引退時のギアは52×39、13-21の7速。

 

その後、17年ほど離れている間に、8,9,10と

ギアが増えて行き、今では11速。

そのうち12速になるんだろうな。

やっぱりギアは有れば使うし、邪魔にはならない。

弱体化した登坂力には後一枚がうれしい。

 

11速になり25が使えるようになって、レース前に

スプロケットを替える必要が無くなった。

39×25が有れば私の走るレースは全てカバーされる。

それ以上が必要になるレースには出ないし。

 

基本的に自分は回転系でなくギア踏み系の脚だ。

調子に乗ってくると重いギアを踏み、最後には脚が無くなる。

それを避ける為に、レース中、練習中は脚が求めるギアより、

少し軽い目を踏むよう心掛けている。

それでもダメなときはダメなんだが。

 

長く選手をやり、今も多くの選手の走りを見る立場にいる。

体型、体質、素質はそれぞれで、無くて七癖ではないが

それぞれ走りには癖がある。

大きな太ももを持ち、極端に巨大なギアを踏み平地を得意とするタイプ。

極端に軽いギアを踏み登りや、一定ペースの維持を得意とするタイプ。

両極端な2タイプだが、どちらのタイプもほとんどの場合ロードレースには

対応しない。

 

対応しないという表現が語弊があれば、対応しない場合が多いとしておこうか。

どちらのタイプも大事な局面でのスピード変化に弱く、ここ一番で後れをとる。

集団走行(レース)には集団と言う流体の秩序が有り、流れに逆らった動きは

最終的には脚を削る。

 

集団走行ではコース、風向き、レースの綾によりその速度は一定ではない。

当たり前の話だが、その当たり前の流れに自然に乗って行かなければ

少しずつ、少しづつ脚が無くなってくる。

 

レースを再開したのは6年ほど前だが、この時の自転車はサンツアー時代のもの。

最初にも書いたが、52×39、13-21の7速だ。

これでほとんどのレースをこなしていたし、特段の不満もなかった。

実際、実業団で入賞できることも自分で確認をした。リンク

しかし、実業団のレースを数レース走った後に10速が使えるコルナゴを導入した。

 

なぜ?

それは、軽いギアが欲しかったからでも、鉄のフレームが嫌になった訳でもない。

Wレバーや7速が秩序よく流れる流体の中で微妙に違う動きを示すからだ。

皆がアウターローか2枚目でやり過ごす丘を、自分だけがインナーを使ったり、

皆が1枚飛びのクロスで使えるギアを2枚飛びで使えば微妙に脚が合わない。

下りでアウタートップが52×13の自分だけ脚が回り切ったり。

 

片手を離してWレバーを触る瞬間は誰もアタックはかけれない。

皆が同じシステムで横並びかそれに近いギアなら、同じ場所でギアチェンジがあり

同じ場所で脚が緩む。

動きを同一化できない違和感がシステム=自転車を変えなければならなかった理由だ。

 

話しは戻るが、集団の動きに乗る為には適度なギア比は不可欠だと思う。

重ギア踏みの方はこの時期回転を意識してほしい。

回転が付けばキレのある動きが出来るし、脚の疲れも少なくなるだろう。

軽ギア踏みの方は筋力をつけてトルクの必要な局面にギアを踏めるようにして欲しい。

トップスピードが付き、レースの展開局面で動きが出来、スプリントにも

絡めるようになるから。

 

まずしなければならない事は練習ではない!

 

シーズンオフだから是非してもらい事が有る。

筋トレ?ランニング?仕事?機材の更新?

全部大事な事だがちょっと違う。

一番最初にしなければならない事が有る。

具体的で明確な目標設定。

 

どのレースを狙っていくのか、どんな成績をあげたいのか、

具体的に目標を設定する。

完走すら危うい状態であれば、「どこどこのレースで完走する」

でもいいではないか。もちろん、「どこどこのレースで優勝する」

なんて目標が設定できれば最高だ。

 

具体的な目標設定が出来れば、それを具現化するには

何が必要かを考える。

後は方法論とそれを継続する忍耐力。

 

もう一度言う、まずしなければならない事は目標設定。

これって、事業を起こして成功した人が必ずと言っていいほど

言っている言葉。

”何時までに、どの様な自分になりたいかを紙に書く”とか。

 

人が成功するのには体系化された動きが有る。

物事に対する取り組み方の姿勢であったり、考え方であったり。

ポジティブな思考は絶対不可欠で、『俺は出来る、やれる』が

前提でないと厳しい練習に対峙することは難しい。

 

ベースにある生き方への態度が日々の練習のブレを生む。

目標と前向きな向上心が有れば練習でしっかりもがき切る事は

さほどハードルは高くないだろう。

その毎日の積み重ねが、成功という形になり自分に戻ってくるのだ。

頑張れ、選手たち。

 

得手と不得手

 

自転車乗りのその走りの得意分野を表す言葉として

スプリンター クライマー TTスペシャリストとか、更には最近では

パンチャーとかルーラーとかの細かい区分けを耳にする。

確かに、陸上競技にマラソン選手、中距離選手、短距離選手が

あるように、自転車競技においても選手のタイプがあるのは

当然だ。

 

オールラウンダーと呼ばれる非常にまれな選手でない限りは

誰にも得意不得意はあるし、オールラウンダーと呼ばれる選手も

全ての状況に高次元で対応しているだけで、本人の感覚としては

不得意な種目はあるのであろう。

 

親からも引き継ぐ、肉体的特徴は根本からは変えれないだろう。

だが、ちょっと待ってほしい、不得意分野を自分の努力不足、練習不足を

棚に上げて肉体のタイプのせいにしていないだろうか。

暴飲暴食をコントロールできず、練習も少なく体重のコントロール

出来ないために、体重が落ちず平地のスペシャリストになっていないだろうか。

 

本来の平地のスペシャリストは筋肉の鎧をまとう空気抵抗と戦う

高出力を出し続けられるタイプだ。脂肪はお荷物でしかない。

一方クライマーは脂肪が極めて少なく、軽い体重で平地のスペシャリストが

空気抵抗と戦う為に出していた力を、重力と戦うことに使う。

 

こうして考えると、クライマーと平地のスペシャリストの違いは

あまりないし、実際、両方を高いレベルでで走る選手は沢山いる。

ちょっと毛色が違うのがスプリンター。

このタイプの選手は非常に素質の要素が大きい。

 

スプリント力のない選手がスプリント力をホントの意味で獲得することは

出来ないと思う。こういう書き方は、人の可能性を否定するので、

書きたくないのだがマラソン選手が短距離選手に勝てないのと同じだ。

 

しかし、自転車のロードレースはマラソンと違い、レースの綾があり、

登りがあり、チームプレーの要素がある。世界最高のスプリンターと言われる、

カベンディッシュでさえ登りで分断されれば、ゴールスプリントに参加することも

出来ない。

 

ロードレースでは距離が長く、厳しいレースであればあるほど、

ゴール前では脚が残ってるもの勝ちの状況が生まれる。そこで、ちゃんと

冬から地脚が付くトレーニングをしてきたスプリントのない選手が逃げたり、

場合によってはスプリンターを凌駕するゴール勝負を見せたりする。

 

スプリンターがスプリントをちゃんとするには、ゴール時点で脚が

残っていることが重要で、引きずり回され脚にキテいてはまともな

スプリントは出来ない。つまり、得手を出す前に、不得手でふるいに

かけられるではだめだということ。ほとんどの場合、不得手は得手には

変わらないが、不得手は普通位に改善し、得手はスペシャリストと言う

領域に高める事が表彰台に上るには必要なことだと断言しておく。

 

不得手の克服にはとってもいい時期だ。目先の結果を追わなくてもよいこの時期に

少し落ち着いて不得手対策、得手対策を実行することを激しく推奨する。

武器を持たずに戦場に行っても、生き(勝ち)残ることはできない。

 

※ブログ全般に渡り、実業団以上の競技者対象の記載です。
ホビーの方々にも参考になる内容ですが、過激なので・・・。

 

久しぶりに行った筋トレの結果

 

肩がこわばって、頭が重い。

筋肉痛って、ある程度を超えると気分が悪くなる。

これって自分だけなんだろうか。

 

11月20日の愛知県美浜でのクリテリュウムで

今シーズンの実業団の試合を終えた。

最近はそのままシクロクロスのシーズンに突入するメンバーも

少なからずいるが、私はメリハリをつけて行きたいので、

一度オフに入った。

 

大分ゆっくりしたので、ぼちぼちと体を動かし始めている。

とはいえ今のところは追い込むつもりは全くなく、弱点の克服と

本格的に練習に入る前の最低限の体の状態作りが出来ていれば

良いと言うレベルの練習だ。

 

美浜のレースはポイントレース形式のクリテリュウムだったが、

ここでスプリントが通用せず、全くポイントが取れなかった。

美浜のコースはゴール前が平坦の長い直線路で、スピードが

上がり切ってからも続く直線路の空気抵抗との戦いが、軽量な

ロードスプリンターには厳しかったのだが、いづれにしてもパワー不足感は

否めず、来季に向けて改善せねばならぬ重要事項と位置付けた。

 

そんなこんなで先日から筋トレを始めている。

しっかりペダルに力を伝えるには上半身の確実な固定が不可欠。

握力と上腕、肩辺りを鍛える。

下半身も更なるバルクアップを目論みプライオメトリクスを取り入れてみた。

具体的なやり方は企業秘密だ(笑)

 

実は企業秘密でも特定秘密でももちろんない。

ちょっと調べてもらうと解るが、プライオメトリクスは高い練習効果が

見込めるが、反面故障のリスクも高く誰にでも勧められる練習ではなく

ネットで調べて練習に取り入れる方も、十分な注意の上取り組んで欲しい。

自己責任でと言うやつだ。

 

筋トレのアップとしてのランによる筋肉痛と筋トレの

筋肉痛が混じり上半身から下半身まで筋肉痛にまみれてる。

特に肩から首のこわばりは、気分を悪くする類のもので

何とかならんかと思う。

やり過ぎをコントロールできない自分も自分なんだが。

 

今夜も万能薬のアルコール注入かな。。。

 

季節の変わり目に想う

シーズン中は自転車競技が忙しくて、遊びも含め

色々な事をシーズンオフまで先延ばしにしてきたので

今は飲み会やら旅行などで忙しくも楽しい毎日を送っている。

自転車にはほとんど乗っていないこの頃だが、あまり落とし過ぎると

後が大変なので、ぼちぼちは乗って行こう。

 

週末はスキーの仲間と事故で亡くなった友達の

追悼旅行で長野県は小谷村に行ってきた。

晩秋から初冬へ色彩を変える風景を堪能してきた。

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帰り道に安曇野あたりで、安曇野と言えば大石さんの店が有ったよな。。。

と、思い出し、急遽ナビで探してみると回り道にもならず非常に行きやすい

立地だったので、アポなし訪問を敢行した。

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●シクロオオイシ ラヴニール

突然の訪問かつ、20年ぐらい会っていないにもかかわらず、

名前を語らない私をすぐに誰かわかって頂いたことはうれしかった。

時間もなくあまり長居は出来なかったが、楽しい時間を過ごさせて頂いた。

やはりともに海外遠征へ行ったり、同じレースを走った(負けてばかりですが…)

先輩ではあるが大きな意味での仲間は一生の宝だと再認識させられた。

 

大石さんと話していて印象的だったこと・・・

自分の生き方にビジョンを持ち、自然体で生きておられる。

『ロードレースをやってたおかげで多少の苦しさ、辛さは感じない』と。

やっぱり、一流の選手は胆の座りが違うな。

今だふらふらと惑い続ける私には思うところ満載の時間だった。

ちょっとだけいいカメラを買ったので旅の写真を数枚上げてみる。

旅は良い。次なる動きへのエネルギーになるから。

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シーズンオフにつれづれに想う

沖縄と幕張での試合が終わり、ロードレースのシーズンオフを迎えた。

最近はシクロが人気で、泥遊びに精を出す面々も沢山いて

明確なシーズンオフを取らない選手も多い。

肉体と精神の回復をその人が必要としないなら、オフは絶対必要な

ものではなく、通年をシーズンの感覚で過ごしても良いと思う。

 

人によって人生における自転車競技のポジションはまちまちだ。

遊びでやってる人、ちょっと本気でやってる人、

命懸けでやってる人。

私自身はやるなら命懸けに近づきたいと思っているのだが、

命を懸けてやってるとは言えない中途半端さが随所にある。

 

若き日は自転車の事だけ考えてればよかった。

今考えれば幸せな日々。。。

しかし今、仕事をしていると日々諸問題が襲ってくる。

心を悩ます問題、時間を取られるトラブル・・・

それらを理由にしだしたらキリが無いことも知ってはいるが、

やはり心はゆらぎ、体は取られ、流されていく…。

 

年齢の影響もある。

50歳が20歳と同じように走れるはずはない。

確実に、そして静かに忍び寄る各身体機能の低下。

これは避けられず、人と戦う前に自分との戦いだ。

 

1年前、3年前と今が同じ身体の状況なら、同じ努力をすれば

同じ結果が出るだろう。

しかし、年々衰える身体で1年前、3年前と同じパフォーマンスを

出そうと思えば、トレーニングの質・量を見直し続けて行かなくては

ならないと思う。

 

質と量の微妙なさじ加減、そして疲労のコントロール

自身のレベルを維持しようとすれば、年齢が進めば進むだけそういった

ものの精度を高めることが必要になる。

ただ一生懸命練習しているだけでは、ダメなのだ。

昨年と同じことを同じようにしていては加齢の逆流に押し流される。

 

でも、流されてもいいとも思う。

加齢で体力が落ちるのは自然の摂理なのだから。

それはそれで、ある意味美しいではないか。

ただ、流されてもいいと思った瞬間に事実流されるだろうし

若い選手と共にE1のレースで戦う事は出来ないだろう。

そこで走りたいか、走りたくないか。

ただそれだけ。

 

結局は与えられたキャンパスにどんな絵を描きたいかって事。

『こう書きたい』と自身が想いを持っていれば、誰も反対はしない。

さて、どんな絵をかこうか・・・

 

反省だけならサルでもできる

 

もうだいぶ日が経ってしまったが、少しレースの事を書こう。

舞洲クリテリュウム・・・

春と秋の2回開催される平地のオーバルコースをぐるぐる回る。

コーナーでのスピードダウンがほとんどないため、クリテリュウム独特の

後が不利と言う状況はあまりないコースだ。

 

春の舞洲では前2シーズンほど実業団活動を休んでいたので、

E3での参加となった。

実はチーム内で春に公表した私自身の今シーズンの目標の一つに、

5月末の3day's熊野はE1で走ると言うのが有って、このレースで上に上がる事

(3位以内は特別昇格)を目論んでの参戦で、2位になりE2への昇格した。

 

舞洲に続き、E2で参加した堺で優勝し、それ以降はE1で走っているのだが、

流石にプロの前段階とプロから降りた人が行きかうカテゴリーだけの事は有り

現在の私の実力では、作戦と展開とコースが完全に一致した時だけ入賞の

可能性が有ると言うのがここ最近の実感だ。

 

話しを秋の舞洲に戻す。ぐるぐる回っていただけのレースなので、ドラマチックな

展開は無いのだけど、ちょっと気になる点が有ったので書いておく。

終盤で8人の逃げが決まったが、それを追撃する動きが全くおこらない。

入賞は6位までだから、逃がせば入賞は無い訳で、下位でも着を取りたければ

前を追わなくてはいけないはずなのに、そういう動きもないままにだらだらと

集団は周回を減らし、そのままゴールするのかと思えば8位以下のスプリントを

もがいている。

 

入賞は無くとも、ポイントは着順に応じて配点されるので、

もがくのは解らなくもないがなぜ私がラスト3周あたりで、

半周引きをしてペースを上げているのに、続く若者が

いないのか、走り終わってからも釈然としない気持ちが残った。

選手としては9位も20位も50位もたいして変わらないと思うのだが。。。

 

その翌週に行われた、経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ。

その昔は通商産業大臣旗 全日本実業団ロードレースと呼ばれていた。

西と東で実業団レースが開催されてその精鋭が全日本実業団で戦うと言う構図で

今では参加の資格制限はないけど、一時期東と西の上位50人と言う制限が

あったと記憶している。西日本実業団が西日本クラッシックになり、

全日本実業団が名前を変えた。ちょっと違和感があり、馴染めないのは、

年齢からくる対応能力の減退だろうか。

 

試合は西日本クラッシックで5位だった広島森林公園周回コース。

正面勝負で通用しない事は西日本でいやというほど解ったので、

じっとチャンスが来るのをまつ。

が・・・

 

じっと待っているうちに、最終周回の勝負どころを迎え、

千切れてしまった。

チーム員のまっちゃんが入賞してくれたのがせめてもの救いだが、

じっとしていただけで、何のアシストもできず、自分自身も

入賞もできなかった。

着を狙い、力を温存すると言う事は裏を返せば、消極的なレース。

まして、最後で千切れては何にもならない。

 

結果だらだらと26位でゴール

”何のために試合に出てるのか”と言うレースをしてしまった。

試合は優勝しないと常に反省が付きまとう。

上を目指す選手にとって入賞は喜びではなく、1位に負けた

自分の弱さを知り、悔しさを募らせる。

そういう気質が有るから、上へ行けるのだろう。

 

満足し、納得すればそれまでだ。

若者よ、入賞で納得するなよ。

勝ちにかかれよ。

 

今週末は知多半島・美浜クリテリウムだ。

出る以上は優勝を目指して走る。