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失われつつある職人技 前篇

 

6年ほど前に、再びロードに乗り始めた。

17シーズン程のお休みを頂いていた訳だが、

その間に機材は大きく変わった。

鉄のフレームはカーボンに取って代わった。

タイヤはチューブラーからクリンチャーに。

 

最初は違和感が思いきりあった。

”競技者はチュブラーでしょう”と。

しかし、慣れると楽なんで、結局今は私も

レース以外はクリンチャーに。

 

レースまでクリンチャーで走るプロ選手

見られるようになり、チューブラーは絶滅しそうだが

どっこい今のところはそうはならない。

何故なら、チューブラーにはまだクリンチャーより

優れた点があるから。

 

それは、まず構造的にシンプルなので、リムを含めた

外周部の軽量化が容易なこと。

そして、しなやかでグリップが良い事。

レースの機材としては最高なのだが、パンク時の

メンテナンス性の悪さはやはり練習には向かない。

 

競技を始めた16歳の頃、当然のようにチューブラーで

自転車を組み、練習をしていた。

走ればパンクするのは当たり前で、パンクすれば

予備タイヤに付け替える。

 

でだ、パンクしたタイヤはどうする?

貧乏高校生に捨てる選択は無く、当然のように

パンク修理をしていた。

今の自転車乗りが聞くと、普通出来ないパンク修理を

無理やり特殊なテクニックでやっているように思うかもしれないが、

そうではなくて、当時は当たり前のメンテナンスだった。

 

ただ、決選用ホイールに修理済みタイヤを使うことはやはりできない。

ちゃんと直したタイヤなら機能的には問題はないが、流石に

修理済みタイヤを試合に使うのは、精神的に壁がある。

試合は完全な状態で出たいのが、選手の心だ。

 

現在の状況は、仮に試合でパンクしたチューブラーがあって、

パンク修理をしても練習はクリンチャーなので、使う場所がない。

私自身もパンク修理は数十年前を最後にしていない。

概ね、みな同じ状況だろう。

 

もう、チューブラーのパンク修理の技術は茅葺屋根の職人技とかと

同種の失われつつある、技術なのかもしれない。

 

もう私も今後、いつやるかも分からない。

一生やらないかもしれないので、後世の為に、

パンク修理のノウハウをアップしておく。

長くなったので、後篇へ。