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涙雨の中、選手は山を目指す

 

連休の後半に天気予報が予想しなかった雨。

連休を使ってのチーム合宿に水を差す。

今日の気温で一日雨に濡れれば、かなり寒いはずだ。

ましてや行先は冬になればスキー場になる兵庫の山奥だ。

 

いつも自転車競技は過酷さが付きまとう。

雨はもちろん台風でも来ない限り、当然のようにレースは行われる。

レースの日に悪天候が多いと思うのは私だけだろうか。

 

昨日は山口県でクリテリュウムレースがあった。

レース前にある選手から、このレースで逃げてみようと

思いますと相談された。

私は現地を知らないが、コースレイアウトから

逃げるリスクは低く、メリットは大きいと感じたので、

彼が逃げれるように、出来るだけのアドバイスをした。

 

自分が昔実業団選手としてデビューした17歳の頃、

何もわからず、シマノの選手と逃げて潰れて自滅した。

その時に自分の力を認識した。

はっきり言えば臆病になって、逃げることはしなくなった。

 

それから3年ほどが経ち、クワハラに就職したことをきっかけに

練習内容が変わり、実力がついてくると、レースで走っていると

自然と人数が減っていたり、中切れを埋めたりしてると、気が付くと

逃げが構成されていることが起こるようになった。

 

こうなってくると、逃げは特別なことでなく、自分が使える

戦術の一つとして、自分のものとなっていく。

脚質的に自ら仕掛けることはほぼないが、面子を見て

乗って行く事が出来るようになってくる。

 

逃げが決まるには多くの要素がプラスに働かなくてはならない。

コースレイアウト、逃げのメンバー、追いのメンバー、距離など。

いくら強力な逃げメンバーでも、集団の力は強力なので、

集団の牽制が無ければ、ほとんどの逃げは成立し辛い。

 

逃げの成立の要素は、集団の牽制だけが要素ではない。

意外なことに重要なのは、逃げのメンバーの目標の一致。

本来逃げる気持ちで、一心同体。

当然、目標が一致している逃げメンバーであるが、

実は同じ船に乗り合わせただけ…

呉越同舟

 

逃げ集団内の疑心暗鬼は逃げの力を徐々に奪っていく。

逃げのメンバーは、各選手が当然ライバルなのだが

かりそめであっても、力を合わせて、ローテーションを

組まなくては、逃げは成立しない。

 

心を一つにしてうまく成立した逃げであっても、ゴールが

近づけば、脚で会話した仲間も、一瞬で敵に変わる。

自転車競技の深淵。

 

質問をした選手の逃げが成功したのかどうかは聞いていないが、

成績は本人の納得のできるものではなかったようだ。

力が付き、積極的なチャレンジを忘れなければ、いつかすんなり

逃げが決まり、そんな自分に驚くときがくる。

信じて続けてほしい。

 

GWの合間に叔母の訃報に接し、お通夜とお葬式のGW後半。

涙雨が降る中、選手は山に向かい走り、叔母は荼毘に付された。

人の命ははかない。

この世を生きている人間は、精一杯努力をし、精一杯楽しまなくてはならない。

 

明日は晴れるかな。