虹色に恋い焦がれる
匂いが記憶と結びつくと言う感覚が解るだろうか。
最近は靴下が汚くなるし、走り終わった後の始末が大変だから使わなくなった
スタートオイル。二重数年前は商品自体がほとんどなく、多くの選手が使ってたのが
Sixtusのスタートオイルだ。
この匂いが強烈で脳に直接レースの高揚感と共に記憶される。
ふとした時に棚にあるオイルを気まぐれに嗅いだりするとアドレナリンがでて
心拍は上がり、心はあっという間にレースシーンへ飛んでいく。
今日、同じような体験をした。 と言っても嗅覚ではなく視覚の方だ。
実力、選手としての実績からして大きなことは言えないし、実際世界で戦って来た、
戦っている選手からすればお笑いなのかもしれないが、高校二年で競技を始た時から
終始憧れ、目標にしたのはマイヨーアルカンシェル。
世界チャンピオンだけが着ることが出来る誇り高きウエアだ。
求め努力し続けたあの日々は、いくら求めても手に入れることが出来ない
ものがあるという、この世の厳しさと、自分の無力さを教えられたが、
同時に努力することの尊さも知った。
週末に開催されたUCIグランフォンド ニセコの年齢別で優勝、
総合で二位になりUCIのロゴが入ったアルカンシェルを模したジャージを頂いた。
表彰式のステージは立派かつ華やかで、そのバックボードには虹色とUCIのロゴ!
それをみた瞬間、心拍が上がり心はあの日々に飛んだ。
[caption id="attachment_1577" align="alignnone" width="400"] UCIのロゴが眩しい[/caption]
高みを目指す自転車選手にはUCIのロゴやアルカンシェルへの想いは特別なものがある。
もちろん、この大会はカテゴリーとしてはグランフォンドだし(内容は全くのロードレース)、
世界選手権でもなく、世界14地域で行われるシリーズ戦の一つでしかない。
ましてや私の優勝は年齢別のものだ。
つまり、ロードの世界選手権とは全く別物なのだが、走り終わってみると、コースや
ロケーションが素晴らしく、そのうえUCIのロゴ入りジャージが頂けて、
色々な意味で満足感の高い大会であった。
[caption id="attachment_1578" align="alignnone" width="400"] 宿の晩御飯、ドリンク持ち込みOKはちょっと嬉しい[/caption]
グランフォンド世界選手権は秋にオーストラリアのパースで行われる。
出場を決めたわけではないが、求め続けたあの時のようにアルカンシェルを
目指して頑張るのもちょっと良いのではないかと思い始めている。