UCIグランフォンド世界選手権パース 番外編

オーストラリアは検疫に非常に力を入れている。

30年前にシドニーの空港に着いたとき、検疫官が

飛行機に乗り込んできて、2丁ガンよろしく両手に殺虫剤を

もって、噴霧しながら機内を歩いていたのが印象的だった。

海外からの外来種のハエや蚊が持ち込まれるのを恐れてのことらしい。

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世界まるみえという番組でよく取り上げられるのが、

オーストラリアの入国管理でのチェックの厳しさだ。

その厳しい指摘を何とか胡麻化そうとする外国人が

係官と何とも”でこぼこな”やり取りを繰り広げる番組だ。

 

番組ではドラッグの類は勿論なのだが、食品の持ち込みには

殊の外厳しく対応しているのが見て取れたし、入国カードに

正直に書かないと罰金が科せられることも番組で紹介されていた。

 

今回、レースの距離が実業団レースと違い長く、時間も長いので

日本からサプリメントと補給食を持ち込んでいたから、

申告せずに罰金を払わされるのはご免なので、正直に入国カードの

食品の持ち込み欄にチェックを入れて提出したら、やはり

通常とは別ラインに誘われ、とにかく見せろと言われたので、

実物を見せながら、『自転車のレースの食品です』と言うと、

係官はなんかいっぱいしゃべっていたけど、ほとんど理解できず。

仕方がないので、日本人の最終兵器、あいまいな笑顔でやり過ごす。

それで無罪放免かと思うとそうではなくて自転車のシューズに

土は付いてないか?という。

土に含まれる、微生物とか虫を入国させたくないのだ。

完璧じゃないかもしれないけど『ない』と言ったら

ようやくリリースしてくれた。

 

オーストラリア人は優しく、全てにおいてゆったりしているが、

おかしなことは、おかしいと徹底的に指摘する、そういう厳しさも

持ち合わせているんだなと実感した。

 

入国後はレンターカーの手続き、車がないと自転車抱えて知らない街を

うろうろするのは大変だろうと、日本から予約を入れておいた。

しかし、日本ならネットで予約していればかなりスムーズに進むはずだが

オーストラリアではそうはいかず、車種は日本で予約しているのに

『車はどれにする?』という質問が出たりで、一から飛び込みで話を

しているのと変わらない状態だった。

そんなこんなで、予定時間を相当過ぎて空港を脱出した。

いずれにして海外ではよくある話で日本のシステムの素晴らしさを

あらためて知った。

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食事にも触れておこう、元来イギリス系の国であるオーストラリアは

食文化があまり無いようで、残念ながら食事に関しては無頓着で

美味しいものが少ない。美味しいものはほとんど外国料理になるのでは

ないだろうか。イタリア料理、中国料理、日本料理はかなりの数が

市内にはあった。

最終日に、チャイナタウンで食べた中華は外食が非常に高いオーストラリア

の中でとても安く、おいしい料理を提供していた。

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どの国にも良い面、悪い面がある。食事は今一だが人々のやさしさ

街の美しさは特筆すべきものがある。公園の大きさは日本人の想像を

はるかに超えるもので、無機質になりがちな都市に潤いを与えていたのが

羨ましく、印象的だった。

 
パース市内を見下ろす公園の戦没者記念碑

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次回はようやくレースの後編へ